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 私たちは、山梨県の取り組み(4パーミル・イニシアチブ認証・アニマルウエルフェア認証等)を取材で知り、また、東京都の「東京都エコ農産物認証」を事業において体感しました。そのことで「他の県はどんな取り組みを行っているのだろうか?」という疑問から、全国の取り組みを調べ始めました。
 土を守る県、水を守る県、生きものを守る県。それぞれの地域が、それぞれの方法で未来の農業に挑戦しています。農林水産省の「みどりの食料システム戦略」の「環境負荷の低減」に向けた施策の推進を行っています。一方で、私たち消費者が、こうした取り組みを十分に認識しているとは言い難いのではないでしょうか。
 各都道府県には、環境に配慮して生産された農産物を認証する独自の制度があります。しかし、その認証マークの意味を知る機会は決して多くありません。
 もし、普段の買い物や旅先の道の駅で、見慣れない認証マークを見つけたら、少しだけ足を止めてみてください。
 その農産物には、農薬や化学肥料の使用を減らしたり、土壌や水環境を守ったり、生きものとの共生を目指したりと、それぞれの地域ならではの工夫が込められているかもしれません。環境に配慮した農産物を選ぶことは、その取り組みに共感し、生産者や地域を応援することにもつながります。


山梨県

やまなし 4パーミル・イニシアチブ認証

4パーミル・イニシアチブとは、世界の土壌表層の炭素量を年間4パーミル増加させることができれば、人間の経済活動などによって増加する大気中の二酸化炭素を実質ゼロにすることができるという考え方で、農業分野から脱炭素社会の実現を目指す取り組みです。

「パーミル(‰)」とは「パーセント(%)」の10分の1の単位で、4パーミルは1000分の4、パーセント(%)では0.4%に相当します。

山梨県は、4パーミル・イニシアチブの取り組みとして、まず、県の主要農産物である果物に着目。モモやブドウなどの果樹園は、冬に枝などを切る剪定を行います。その際に発生する剪定枝には、植物の光合成によって炭素が貯蓄されているので、剪定枝を燃やすと、炭素が酸素と結合して二酸化炭素になり、大気中に放出されます。 しかし、剪定枝を炭にすることで二酸化炭素の発生を減らすことができるだけでなく、微生物などによる分解がされにくくなります。その炭を畑にまくことで半永久的に炭素を土壌中に留めることができ、大気中の二酸化炭素の増加量を抑えることにつながります。
この他にも、土壌環境の改善などのため果樹園内に草を生やす草生栽培や、堆肥などの有機物を畑にまくことなども、土壌中に炭素を貯めることにつながります。

やまなし4パーミル・イニシアチブ認証公式サイトへ


やまなしアニマルウェルフェア認証

 アニマルウェルフェアとは、家畜を快適な環境下で飼養することにより、ストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながるとされている飼育方法です。例えば欧米では鶏のケージ飼育を禁止したりケージ卵の販売も禁止されている州などもあります。
 山梨県は令和3年度にやまなしアニマルウェルフェア認証制度検討会議を設置し、全国の自治体で初めて畜産農家の取り組みを認証する「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」を創設しています。

やまなしアニマルウェルフェア認証の公式サイトへ


東京都

東京都エコ農産物認証制度

 東京都エコ農産物とは、土づくりの技術や化学合成農薬と化学肥料削減の技術を導入し、都の慣行使用基準* から化学合成農薬と化学肥料を削減して作られる農産物です。化学合成農薬と化学肥料の削減割合は、25%以上、50%以上、不使用の3区分で東京都知事が認証し、生産者は認証農産物に認証マークをつけて販売することができます。
また、東京都は、認証農産物のPR のため東京都エコ農産物専門店「トウキョウ エコ マルシェ」を麻布十番で展開しています。(2027年3月17日まで)

東京都エコ農産物認証の公式サイトへ


北海道

YES!clean

 北海道は991年から、冷涼な気候(冷涼な気候は病害虫による被害が少ないため化学農薬や化学肥料の使用が少ない)や広大な土地という地域特性を活かし、人と地球環境に配慮した「クリーン農業」に取り組んでいます。クリーン農業とは、化学肥料や農薬を抑え有機肥料を使用することで、健康な土づくりをおこない、サスティナブルな「環境保全型農業」を目的とした農業です。
 2000年より、クリーン農業によって生産された北海道独自の認証制度「YES!cleanマーク(北のクリーン農産物表示制度)」をスタートしました。厳しい基準をクリアした自然由来の農産物であることを保証する、ハイクオリティーの農産物や加工品にのみ、YES!cleanマークを付けることが許可されています。

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長野県

信州の環境にやさしい農産物認証制度

 長野県は、環境と調和し自然と共生する持続性の高い農業を一層推進するため、平成21年産農産物から知事認証の「信州の環境にやさしい農産物認証制度」に取り組み、地域の慣行栽培と比較し、化学肥料及び化学合成農薬を削減した方法で生産された農産物を2区分 し認証する制度です。認証された農産物には、県の認証番号が入った認証票(シンボルマーク)を付けることができます。

1・区分「50-50」 化学肥料及び化学合成農薬について、「地域慣行施肥量」及び「地区農薬使用回数」の50%以上を削減した方法で生産された農産物
2・区分「50-30」 化学肥料について「地域慣行施肥量」の50%以上削減し、化学合成農薬について「地区農薬使用回数」の50%以上に満たない削減率で生産された農産物で、以下の1から3のすべての要件を満たすもの
<要件>
・果樹のうち7品目(りんご、ぶどう、なし、もも、おうとう、すもも、あんず)のいずれかであること
・「地区農薬使用回数」の30%以上を削減して生産されたものであること
・当該年の該当品目栽培において長野県IPM実践指標による実践レベルの評価が「B」以上であること

信州の環境にやさしい農産物認証制度の公式サイトへ


滋賀県

環境こだわり農産物認証制度

 化学合成農薬および化学肥料の使用量を慣行栽培の5割以下に削減するとともに、濁水の流出防止など、琵琶湖をはじめとする環境への負荷を削減する技術で生産された農産物を県が「環境こだわり農産物」として認証する制度です。認証された農産物には、県の認証マークを表示して出荷・販売することができます。
 また、加工食品への表示制度もあり、環境こだわり農産物認証の農産物を中心とした原材料を使用した商品も認証マークを表示して販売することで、環境を配慮した商品としてアピールすることが可能です。

環境こだわり農産物認証制度の公式サイトへ


兵庫県

コウノトリ育む農法

 兵庫県は、環境に対する負荷の軽減と県民への安全安心な農産物の安定供給を図るため、全国に先駆けてさまざまな取組みを進めてきました。
・1993(平成5)年度「兵庫県有機農産物認証制度」創設
・2001(平成13)年度「ひょうご安心ブランド農産物認証制度」創設
※残留農薬量を国の基準の10分の1以下とするなどとした認証制度

 コウノトリ育む農法には化学農薬を使用しない、または慣行栽培に比べ75%低減し、化学肥料の代わりに有機肥料を使用するとともに、田んぼに水を張っている期間を長くするといった要件があります(水を張る期間を延長することにより、オタマジャクシがカエルまで育ち、ヤゴがトンボになることができ、コウノトリの餌となる生物を増やすとともに、田んぼの生き物のバランスを保つことで害虫抑制等を意図している)。
「コウノトリ育む農法」と慣行農法における田んぼの生物数を調査した結果から、「コウノトリ育む農法」では実際にたくさんの生きものが生息していることがわかっています。また、河川の水質調査においても、農薬関連項目の数値は環境基準を達成した状態を保っています。

コウノトリ育む農法の公式サイトへ