農法と農薬・化学肥料の関わり

基本的な農法の分類と特徴
日本では、有機JAS認証を取得していない農産物に対して、「有機栽培」や「オーガニック」と表示・表現することは法律で認められていません。日本におけるオーガニック農産物の公的な認証制度が農林水産省の「有機JAS認証」であり、海外でも広く認められている基準の一つです。一方で、認証を取得していなくても、化学農薬や化学肥料の使用を極力抑えた栽培や、独自の基準で環境に配慮した農業を実践している生産者も数多く存在します。
そのほかにも、「特別栽培」や「自然栽培」など、さまざまな農法があります。現在、スーパーなどの店頭に並ぶ農産物の多くは、生産性や安定供給を重視した慣行栽培(一般的な現代農法)によって生産されています。
代表的な農法の違いを、農薬・肥料・耕作・認証・生産性などの観点から整理しました。
<農法の分類と特徴>

❶ 慣行農法(現代農法)
効率や生産性、安定した収穫を重視した、日本で最も一般的な農法です。病害虫の防除には農薬を使用し、土壌に不足する栄養分は化学肥料などで補います。農薬の使用方法や回数は、都道府県などが定める基準に基づいて管理されています。
❷ 減農薬栽培(特別栽培・エコファーマーなど)
慣行栽培を基準として、農薬や化学肥料の使用を5割以上削減するなど、環境への負荷を軽減しながら農産物を生産する農法です。地域ごとの基準に基づいて栽培されます。
❸ 有機農法(有機JAS認証・オーガニック) 化学的に合成された農薬や化学肥料の使用を原則として禁止し、国が定める有機JAS制度に基づいて栽培される農法です。認証機関による厳しい審査と毎年の検査を受け、認証を受けた事業者だけが「有機栽培」「オーガニック」と表示することができます。
❹ 自然栽培
農薬や化学肥料を使用せず、自然の力を生かしながら作物を育てる農法です。土づくりや生態系との共生を重視し、生産者が長年培ってきた経験や技術を生かして栽培を行います。
❺ 自然農法
農薬や肥料を使用せず、耕さない「不耕起」を基本とするなど、人の手をできるだけ加えず自然の営みを尊重する農法です。さまざまな考え方や流派があり、自然の循環を最大限に生かすことを目指しています。
農薬と化学肥料のメリットとデメリット
「農薬」や「化学肥料」という言葉はよく耳にしますが、なぜ農業の現場で使用されているのか、また、どのようなメリットやデメリットがあるのかをご存じでしょうか。
農薬や化学肥料は、安定した収穫や生産性の向上に大きく貢献してきた一方で、環境や生態系、さらには健康への影響についてもさまざまな議論があります。
ここでは、それぞれの特徴的なメリットとデメリットを整理してご紹介します。


農業に「絶対の正解」はありません
農薬や化学肥料は、農業の発展や安定した食料供給を支えてきた大切な技術です。一方で、の使用方法や量によっては、環境や生態系、人への影響が懸念されることもあります。
ファームズスクエアでは、生産者一人ひとりの想いや栽培方法を知っていただき、「誰が、どのように育てたのか」を理解したうえで農産物を選ぶことを大切にしています。
農法を知ると世界が広がる、かも
慣行栽培は、生産性や安定供給に優れ、私たちが日常的に手頃な価格で農産物を購入できる大切な農法です。一方で、減農薬栽培や有機農法、自然栽培などは、環境への配慮や土づくりを重視することで、それぞれ異なる価値を生み出しています。
近年は、オーガニックへの関心が世界的に高まり、日本でも「みどりの食料システム戦略」において、2050年までに有機農業の取組面積を耕地面積の25%へ拡大する目標が掲げられています。これからは、生産量や価格だけではなく、「どのような考えで、どのように育てられた農産物なのか」という視点も、農産物を選ぶ大切な基準になっていくのかもしれません。
農法に「絶対の正解」はありません。それぞれにメリットと課題があり、生産者は日々試行錯誤を重ねながら農業に取り組んでいます。
農法の違いを知り、生産者の想いに耳を傾けることで、いつもの野菜や果物が少し違って見えてくるかもしれません。そして、それが食をもっと楽しみ、もっと豊かにする第一歩になるのではないでしょうか。
農法と農薬・化学肥料の関わり
