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知っておきたい ネオニコチノイド系殺虫剤


神経の発達への影響が懸念される「ネオニコチノイド」系殺虫剤

 田んぼや畑でトンボが飛び交わず、虫の気配も感じられない場合、ネオニコチノイド系殺虫剤(以下、ネオニコ系殺虫剤)が使用されている可能性があります。ネオニコ系殺虫剤は、昆虫の神経伝達を阻害することで農作物への害虫被害を防ぐ農薬です。
 一方で、ハチは農業において花粉を媒介する重要な役割を担っていますが、ネオニコ系殺虫剤の使用が広まった時期と重なるように、世界各地でハチの大量死が相次いで報告されるようになりました。このため、欧米では2000年代初頭からネオニコ系殺虫剤を規制する動きが始まりました。
 さらに近年では、低濃度であっても人間の脳や神経の発達に悪影響を及ぼす可能性があるとして、EU(欧州連合)のEFSA(欧州食品安全機関)も懸念を示しています。また、世界各国では、ネオニコ系殺虫剤の使用量や普及時期と、自閉症や発達障害と診断される子どもの増加傾向との関連性を指摘する研究も報告されています。しかし、現時点では因果関係は科学的に確立されておらず、さらなる研究が続けられています。
 一方、日本では現在もネオニコ系殺虫剤が輸入・使用されており、その安全性や使用のあり方については、今なお議論が続いています。



ネオニコ系農薬 人への影響は【報道特集】(2021年11月6日放送)TBS NEWS DIG Powered by JNN

 農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」では、2050年までの目標として、ネオニコ系を含む従来の殺虫剤に代わる新たな農薬や防除技術の開発・普及を進め、化学農薬の使用リスクを50%低減することを掲げています。このように、日本でもネオニコ系殺虫剤を含む化学農薬への依存を減らす取り組みが始まっています。
 いずれにせよ、健康や環境への影響が懸念される化学農薬については、その使用をできる限り減らしていくことが望まれます。しかし私たち消費者には、どの農産物がどのような農薬を使用して栽培されたのかを判断することは容易ではありません。知らないまま口にしている可能性があるという点は、多くの人が知っておくべき課題といえるでしょう。
 一方、有機農法(オーガニック)や自然栽培で育てられた農産物は、化学農薬を使用しない、あるいは極力使用しない栽培方法が採られています。そのため、化学農薬を避けたいと考える消費者にとって、有力な選択肢の一つとなっています。アメリカをはじめとする欧米諸国でオーガニック食品の需要が拡大している背景には、こうした健康や環境への関心の高まりもあると考えられます。


生産者と話してみよう

 オーガニック認証を受けていなくても、化学農薬や化学肥料、ネオニコ系殺虫剤を使用せずに栽培している生産者はたくさんいます。表示だけでは分からないことも多いからこそ、機会があれば「どのような農薬を使っていますか?」「ネオニコ系殺虫剤は使用していますか?」と、生産者に直接聞いてみることも大切です。
 ファームズスクエアの生産者たちは、ネオニコ系殺虫剤などが環境や生きものに与える影響を理解し、その使用を避けています。実際に生産者と話をしてみると、農業の現場や食べものについて、私たちがまだ知らないことをたくさん教えてくれます。
 ぜひ、生産者とつながり、話を聞き、可能であれば農業の現場を訪ねてみてください。食べものを選ぶ視点が、きっと少し変わるはずです。



農法と農薬・化学肥料の関わり

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環境と未来を育てる農業